
長崎から世界を支える。グローバル企業を支えながら多角的な挑戦を
日本郵船、商船三井、川崎汽船のコンテナ定期船事業部門を各社からスピンアウトさせ、2017年にシンガポールで誕生したOcean Network Express(以下、ONE)。そのONEの中核業務を受託し、事業成長に貢献しているのがONE DEJIMA株式会社です。ONEの人事、経理、市場調査、代理店管理、海運由来の業務など幅広い業務を受託する同社は、Uターン・Iターンを中心とした採用や地域経済との共創を目指しています。ONEの業務受託の拡大とこれから培われる実績をもとにした新規事業の開拓に挑むにあたり、新たなメンバーを募集します。ONE DEJIMAで働く魅力や今後の展望などについて、代表取締役2名にお話を伺いました。
長崎を拠点に、日本発・コンテナ海運企業の中核業務を受託
代表取締役 社長/遠山 直人(左)
代表取締役 専務/小佐々 佳生(右)
ONE DEJIMAの設立背景をお聞かせください。
遠山:日本郵船、商船三井、川崎汽船のコンテナ部門を統合した、日本発のコンテナ海運企業ONEが2017年に設立されました。同社はシンガポールに本社を構え、2018年春から本格的なサービス提供を開始しています。
コロナ禍の影響を受けつつも着実に事業成長を続けたONEは、設立5年で世界トップクラスの収益力を達成しました。その後、フェーズを変え「サステナブルな成長」に向けて舵を切り、世界有数のコンテナ海運会社を目指すことを目標に様々な戦略を掲げています。「2030年までに輸送キャパシティーを1.6倍にする」という海運業の事業拡大に加え、環境やデジタル等の戦略も対象となっていますが、それらの戦略立案・実行を支える土台はタレントです。人財採用については、シンガポールに限定せず世界に網を張って確保することがONEの方針です。こうした方針の下、日本でも採用活動を行い、本社の業務をサポートする拠点を新たに設立する必要性が生じ、2023年12月にONE DEJIMAが長崎で設立されたのです。
ONE DEJIMAの概要と、長崎を拠点にした理由についてお聞かせいただけますか。
遠山:ONE DEJIMAは「地方発のKPO(Knowledge Process Outsourcing)会社」です。KPOとは「知的生産活動のアウトソーシング」を指し、高度な知識や専門スキルを必要とする業務を専門業者に委託する形態を表します。ONEの中核業務を受託する会社として、グローバルな仕事を長崎で担えるのがONE DEJIMAの大きな特長です。
拠点として長崎を選んだ理由は、長崎は出島があったように江戸時代には貿易の要所として歴史を刻み、また、造船業の発祥の地であるため海運業との親和性が高いからです。様々な国の文化を取り入れ、多様性に富んだ街として成長してきた長崎こそ、令和の海運業を展開する拠点として最適ではないかと考えました。
幅広い中核業務に携わり、データドリブンな経営を支援する
ONE DEJIMAの事業についてお聞かせください。
遠山:現在はONEのみを顧客とし、人事、労務、代理店管理、市場調査、データ分析、海運特有の業務など多岐にわたる本社中核業務を行っております。人事・労務においては、主にシンガポールに派遣されている人財管理や日本人の採用活動、国内外のインターンシップのサポートが主な仕事です。代理店管理では、ONEの代理店網の構築・維持や、本社と各代理店の連携をサポートしています。市場調査では、データから潜在顧客を明らかにし、効率的な営業活動に結びつくようなサポートをしています。
ONE DEJIMAで働く魅力や、事業の特長についてお聞かせください。
遠山:海運業は非常に多くのデータを扱っており、ONEもその例外ではありません。例えば、本船運航を司る部門では240隻の運航情報や運航費に関わるデータを、経理部門では120カ国で発生する経理データを、マーケティング部門では最適な航路設定やセールス活動に資する市場調査・分析に携わります。私たちはこうした業務を担いながらも、そこから得られるデータに基づいて、よりデータドリブンな意思決定を促していくことに貢献します。グローバルな海運業のデータを扱いながら、そのダイナミズムのなかに身を置けることは、ONE DEJIMAで働く魅力だと思います。
小佐々:私は長崎の金融機関で長く働いてきましたが、ONE DEJIMAはまさに長崎に足りなかったピースを埋める会社だと感じています。創業以降、すさまじいスピード感で事業開始の準備を進め、半年もかからず約20名の採用を実現したのを目の当たりにして、自社のことながら圧倒されてしまいました。
長崎の人口流出は他県と比較しても深刻で、その大きな原因となっているのは若い世代の転出超過です。彼らがスキルアップできる魅力的な就職先を地元につくる必要があると考えていましたが、ONE DEJIMAが創業間もなく想定以上の人財採用を実現できたのは、まさに若者が求める会社だったからだと考えています。

創業1年で事業基盤や信頼関係を構築し、順調な滑り出しを実現
創業から1年、事業開始から半年がたちますが、ここまでどのような成果を上げてこられましたか。
遠山:第一に挙げられるのは雇用創出です。当初は3年間で20名採用することを目標としていましたが、これを半年足らずで実現したことで、本社からの要望に応えられる体制を早々に整えられていると感じています。2025年3月末には30人体制、その1年後には80人体制を目指します。
また、10月末に本社から得たパフォーマンスフィードバックは、自らが想像していたよりも前向きな結果となりました。受託業務を適切にこなし、今後の取り組みとしてデジタル化やAI活用などを通じた業務改善案を提案し、属人化させないための取り組みを示したことが、評価につながったようです。また、愚直に一つ一つの課題に取り組んでいったことも、本社との信頼醸成の礎になりました。
小佐々:創業期は本来であれば事業の安定が最優先となりますが、そのほかに地域貢献につながる取り組みにも挑めました。事業開始直後の2024年5月には、「ONE GLOBAL IT CONFERENCE」を誘致、海外から約50名のONEグループ内外関係者が長崎に1週間滞在する機会をつくったのがその一例です。これは経済効果的な観点で長崎に大きなインパクトをもたらすだけでなく、長崎の魅力を世界に伝える機会になったと感じています。
逆に、課題だと感じていることはありますか。
遠山:本社業務を受託するという事業構造上、本社の下請けというマインドセットが構築されやすいため、大胆な業務改善の提案ができず、ONE DEJIMAの価値が小さくまとまってしまう可能性があることは課題です。本社からの要望は局所的、部分的であることが多いので、ただ言われるままに対応するだけでは、本質的な課題解決にはつながりません。俯瞰的に事業全体を見たうえで、より良い仕組みや組織をつくるために長崎で対応するべき業務を積極的に行っていかなければ、私たちの存在意義は薄れてしまうでしょう。
こうした課題感を踏まえて、メンバー一人一人の主体的な提案を促進する評価制度の見直しや、AI勉強会の実施などに取り組んでいます。正当な評価がなされる環境を整え、幅広い知識を身につけられる機会を設ければ、やがてそこから積極的な提案が生まれてくると考えています。

グローバル規模で展開する事業の拡大と長崎密着型の地域貢献
今後の展望についてお聞かせください。
遠山:2030年に向けた人財獲得や他社とのパートナーシップの強化による価値創出などに注力しつつ、ONEにとってなくてはならない存在になることが直近の目標です。ONE DEJIMAが部分的な業務受託を超え、業務全体を任せられる組織になっていくことで、より本社が戦略に集中できる体制にしていきたいです。
将来的には、ONEの業務受託で培った経験をもとに、他社の業務受託にもサービス提供範囲を広げる予定です。海運業のデータを多く扱った実績は、サプライチェーン・物流を担う中小企業のDX推進支援にも役立つでしょう。
小佐々:事業拡大と並行して、長崎の社会課題にも取り組んでいきたいです。雇用創出やイベント参画などを通じて長崎の人の流れを生み出すだけでなく、文化や土地の魅力を伝え、長崎の認知を向上させていくための活動も活発化させていきたいと考えています。
ONE DEJIMAは事業の安定化に向けた取り組みと同じ熱量で、創業時から地域貢献に向き合っています。このようなスタートアップが長崎に誕生したことを、地元の人間としてうれしく思っています。地域の人々からも好意的に受け止めてもらっており、私たちの思いはしっかり響いている印象です。この地域との信頼を基盤に、これまでにない「新しい長崎」を実現できるよう、今後より大きな活動にも取り組んでいきたいと考えています。

グローバルかつ多様性あふれる環境で、自らプロジェクトをリードする
どのような方と一緒に働きたいとお考えでしょうか。
遠山:私たちは創業間もないスタートアップなので、たとえ環境が大きく変わってもご自身の力を発揮できる方が向いていると思います。社内制度や文化もこれから事業成長に合わせて自らでつくっていくことになります。また、地域の企業とのビジネス開発なども視野に入れていますので、ビジネスの知見をより生かす機会も増えていくでしょう。こうした環境を面白いと感じながら、物事を自らリードして進めていける方にご参画いただけたらうれしいです。
小佐々:今回はオープンポジションを含む、様々なポジションで人財を募集しますので、幅広い業務に携われることを成長機会として捉えられる方を求めています。また、グループ内の海外拠点に転籍することもあり得るので、グローバル志向が強い方にも興味を持っていただければと思います。
在籍しているメンバーのバックグラウンドやチームの特長を教えてください。
遠山:金融機関、BPO、商社、建設関連、大学職員など多様なバックグラウンドを持ったメンバーが集まっています。U・Iターンする方もいます。年齢層も幅広く、スタートアップでありながらも、経験豊かな頼もしいメンバーが多い組織かもしれません。また、グローバルな仕事をするためメンバーは国籍を問わず、語学力を発揮して活躍するメンバーが多いこともチームの特長です。

グローバル企業を支える立場だからこそ得られる学びや経験
多様な人財が集う創業期というなかで、チームビルディングの点で工夫していることはありますか。
遠山:目指すビジョンをメンバー全員に伝え、同じ方向を向いて働けるような仕掛けづくりを心がけています。入社後間もないメンバーにシンガポール本社での業務引き継ぎを経験してもらったのも、そんな工夫の一つでした。
業務自体は長崎からリモートワークでも対応できるのですが、シンガポールのメンバーと直接会って対話をすることで、人間関係を構築することができます。こうした機会を大切にすることが、その後のパフォーマンス向上にもつながると考えています。また帰国後には、会社の将来について部署を横断して議論し、アクションプランをつくるワークショップも開催しました。
ONE DEJIMAだからこそ得られるキャリアの価値は何でしょうか。
遠山:私たちはスタートアップですが、担うのはグローバルにネットワークを持つ海運企業の中核業務です。大規模かつグローバルな企業の課題に向き合いながら、スタートアップの強みを生かして解決していける経験は、おそらく他では味わえないものです。大企業は機動力を発揮しにくい側面もあるかもしれません。しかし、私たちはスピード感をもってその課題に挑んでいきます。こうした経験を通じて、グローバルに通用する提案力や働き方を身につけられることが、ONE DEJIMAの魅力だと考えています。
小佐々:社内の人財育成や福利厚生の充実に力を注いでいることも、ユニークなポイントの一つです。社内勉強会や外部の英会話オンラインレッスンなど、任意で受講できるコンテンツが充実しているだけでなく、シンガポール本社に足を運び、現場を体感する機会にも恵まれています。部署を横断して行われるワークショップも、グローバルで事業を行う企業ならではの密度の濃さが特長です。人財育成を重視する会社なので、成長意欲のある方にとっては非常に学びが得やすい環境だと思います。

ONE DEJIMAは、長崎の地で操業を開始してから、1年を迎えました。
ONEシンガポール本社(GHQ)や地元長崎の関係者の皆さまのご支援、そして社員一人ひとりの努力により、当初よりも業務範囲は大きく広がり、グローバルなネットワークの一端を担う存在へと成長を続けています。
しかし、まだまだ私たちの存在は、ONEグループの中でも十分に知られていないのが現状です。
そこで今回、創業1周年を記念して、会社紹介ムービーを制作しました。この映像では、ONE DEJIMA設立の背景や、GHQから委託されている業務、そして日々の業務に取り組む各チームの姿を、長崎という美しい街の風景と共にご紹介しています。
私たちは、ONEの中核業務を担うKnowledge Process Outsourcing(KPO)拠点として、世界の仲間たちとともに、より高い価値を創造していきたいと考えています。
このムービーを通じて、ONE DEJIMAがどんな組織で、どんな未来を目指しているのか、少しでも伝われば幸いです。
そして、私たちとともに次のチャレンジに挑む仲間が、この映像をきっかけに現れることを心より願っています。